今一番売れている本は又吉直樹さんの「火花」で、2百万部を突破しているそうです。凄いですよね。ですが戦後日本のベストセラーの中で翌年もベストセラーという本は無いのです。次の年には別の本に代わられるわけです。しかしそんな中で毎年ずっとベストセラーを続けている本が一冊だけあるのです。それが聖書なのです。世界で言えば5億冊、日本だけでも毎年5百万冊出版されているのです。こんな本はありません。もうスーパーベストセラーなのです。古代の本であるのに今なお世界中で最も多くの人が読んでいる本ですが、何故そんなに多くの人が聖書を読むのでしょうか?
勿論、国の憲法の基礎となるような人間の基本的在り方を教えることもそうですが、むしろひとりの苦難のなかにある人生を作り変えて希望と愛、喜びと平安に満ちた人生に再創造する力をもっているからです。一つの話をしましょう。
アメリカ南北戦争の時代に、ル・ウオーレスという将軍がいました。彼は徹底的な無神論者で作家でもありました。存在しない筈の神に祈るクリスチャンが弱々しく思え、彼らの誤りを指摘しうるキリスト教撲滅本を書いてやろうと決心したのです。彼はイスラエルに行き博物館や図書館を巡り、キリスト時代の文献や資料を5年間も調べ上げて、本を書き始めたのです。一章を終え二章めに差し掛かったのですが、ペンを投げ出して椅子から落ちるようにひざまずいてこう呟いたのです。「我が救い主よ。わが神よ」と。彼がどうしてもキリスト教撲滅本を書けなかった二つの理由がありました。それはあの無力なキリストの弟子たちに起こっている一大変化、命を懸ける伝道と殉教。それと十字架で祈るキリストの言葉「父よ、彼らをお許し下さい、彼らは自分でしていることが分からないです」(ルカ23:34)
この二つが否定できなかったのです。後にこの資料がどうなったと思いますか?ペンを握りなおして書かれた本が映画にもなったあの不朽の名作「ベン・ハー」だったのです。
あなたも聖書を読み始めてはいかがですか?また教会にお出かけになり聖書のメッセージをお聞きください。きっと豊かな人生をお知りになるでしょう。
牧師 中 西 正 夫