平和の祈り
’24.クリスマス・メッセージ

音声で聴く

今年のノーベル平和賞は日本の原水爆被害者団体協議会が受賞されましたが、広島の原爆被害者の立場から核廃絶を訴えてきた運動に対する受賞でありました。日本人のひとりとして嬉しい受賞でありました。

でも団体の尊い働きにも拘わらず、世界はまるでその運動を無視するかのような現実が展開しています。
実際のところ、地球上では全く相反することが起こっています。ウクライナ戦争や、パレスチナでの紛争を見れば、如何に平和から遠い現実であるかが分かります。

問題は、どうして世界の英知を集めても、「平和」が実現しないのか、ということです。…その答が聖書に出てくる最初のクリスマスのメッセージにあるように思われます。それは:

「いと高き所に、栄光が神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなった人々にあるように」(ルカ2章14節)

お伝えしたいことは、最初のクリスマスの夜、神が羊飼い達に語られたメッセージの順序です。先ず、「いと高き所に、栄光が神にあるように」です。これが先です。つまり人々が、自分たちの欲や願望を願う前に、人間を造られた創造者である神にへりくだり、神を恐れ敬う生き方、神の栄光を求める生き方からスタートする必要があるのです。それが求められてこそ、次の祈り「地の上に、平和が、御心にかなった人々にあるように」という願いが神の御心を求める人々の中に実現していくのです。

この順序を無視した中での「平和の願い」は虚しく響きます。又一時的に平和があるように見えても直ぐに豹変してしまう脆い平和でしかないのではないでしょうか。

地球に住む人類が、この12月、もう一度聖書に立ち返り、謙虚に神の御言葉に従う必要があるのではないでしょうか。

どうぞ、クリスマス礼拝が行われるこの12月に教会でお過ごしになりませんか。心から御案内いたします。

牧師 中 西 正 夫